自律神経失調症と体臭の関係|ストレスとニオイの悪循環

自律神経失調症と体臭の関係|ストレスとニオイの悪循環

体臭に悩む毎日は、思っている以上に心と体をすり減らします。
人目が気になって眠れない、食事がのどを通らない。
そんな状態が続くと自律神経が乱れ、それがまたニオイに影響することがあります。

体臭検査の依頼表には、人にはなかなか言えない、限界ぎりぎりの思いで書かれた声が数多く届きます。
その声に向き合うなかで見えてきた「ストレスとニオイの悪循環」は、正しい知識と検査データがあれば、少しずつ断ち切ることができます。


体臭に悩むことが心と体を追い詰めるとき


体臭検査には、単にニオイの原因を調べるだけでなく、悩みを抱えた方の心の状態に触れる場面があります。
まずは、実際に寄せられた声からお伝えします。


依頼表に書かれた「心の叫び」


体臭検査を申し込まれると、検査キットの中に「体臭検査依頼表」が入っています。
食生活、嗜好品、便通、洗濯の状況、同居人の有無といった項目に加えて、

  • 体臭のことで他人や家族から指摘を受けたことがあるか

  • 気になる場所はどこか

  • どんなことがきっかけで気になり始めたか

も書いていただきます。


この情報は、検査や改善策づくりに欠かせません。
それに加えて、ユーザーさんの「心の状況」を知る大切な手がかりにもなっています。


限られたスペースに、細かい字でぎっしり書いてくださる方がほとんどです。

中には「体臭の事で周りから蔑まれ、疎まれ、体が悲鳴を上げています。もうこれ以上、耐えられません!」と綴られたものもありました。

ぎりぎりの思いで私のところに来てくださったのだと感じ、なんとかしなければ、と強く思ったことを今も覚えています。


「気にしない」が体臭に良い理由


そんな方に、私はまずこうお伝えしています。
「規則正しい生活と、きちんとした食事を取り戻しましょう。
そして、気にしなくてよいことは、大らかな気持ちで気にしないでください」。


とはいえ、「気にしない」は口で言うほど簡単ではありません。
それがなぜ体臭に良いのか、ピンと来ない方も多いでしょう。
その気持ちはよく分かります。

それでも、これは本当に大切なことです。
体臭に振り回されすぎると自律神経が乱れやすくなり、それが体臭にも悪い影響を与えるからです。


自律神経とは?乱れるとどうなる?


「自律神経」という言葉は聞いたことがあっても、実際にどんな働きをしているのか、詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
ここで基本を押さえておきましょう。


体の中を自動で調整してくれる神経

自律神経は、交感神経と副交感神経からできています。
内臓の動きのように、自分の意思ではコントロールできない働きを、自動で調整してくれる神経です。


たとえば全速力で走ると、心臓がバクバクしますね。
走るのは自分の意思ですが、心臓を速く動かしているのは自律神経です。

交感神経は体が活動しているときに、副交感神経は眠っているときや体を休めているときに働きます。
どちらが働くかを意識しなくても自動で切り替わる。
これが「自律」と呼ばれるゆえんです。


ストレスが続くと切り替えが乱れる


自律神経の中枢は、脳の中心近くにある「視床下部」です。
不安や緊張が強い状態が続くと、その負担が脳から自律神経に伝わります。

すると交感神経が働きすぎたり、副交感神経が働きにくくなったりして、バランスが崩れてしまいます。


「自律神経失調症」は、このバランスの乱れで起こるさまざまな不調をまとめた呼び名です。
検査をしても、はっきりした異常が見つからないことも少なくありません。


現れやすい症状


一般的には、頭痛、めまい、肩こり、動悸、息切れ、息苦しさ、吐き気、下痢や便秘、だるさなど、体のあちこちに不調が出ます。
食欲不振、睡眠不足、イライラが重なることもあります。

症状は人によって違いますので、つらい状態が続くときは医療機関にも相談してください。


ストレスと体臭は悪循環になりやすい

自律神経の乱れは、体臭にも無関係ではありません。
ここからは、ストレスとニオイがどのようにつながっているのかを見ていきます。


リラックスできない毎日

体臭に悩んでいる方は、外にいる間ずっと人目が気になります。

ほっとできるはずの自宅でも、「さっきのコンビニの人、私のことをニオウと思ったかな」「課長がずっと咳をしていたのは、私のニオイのせい?」と、頭の中で嫌な考えがぐるぐる回ってしまう。

そうなると交感神経が働き続け、いつまでたってもストレスから解放されません。


検査データに表れるケトン体


ストレスの強い方の分泌物からは、アセトンをはじめとするケトン体がよく検出されます。
なぜストレスでケトン体が分泌されるのか、仕組みは正確には分かっていません。

ただ、過度なダイエットや疲労にストレスが重なると分泌されるようで、当社の検査データでも同じ傾向が見られます。


ニオイがストレスを生み、ストレスがニオイを生む


「体臭があるからストレスがある」と考えがちですが、逆も本当です。
ストレスがあるから、体臭が強まることもあります。

つまり、ストレスを減らす努力は、体臭を減らすことにつながります。
どちらか一方だけでは足りないのかもしれません。


もちろん、パワハラや人間関係、将来やお金の不安など、体臭と関係のないストレスは、私にはどうすることもできません。
けれど、悩みの中心が体臭であるなら話は別です。

ストレスで胃腸の働きが乱れると、腸内フローラのバランスも崩れやすくなります。
腸内環境とニオイの関係は、「「体が便臭い…?」そんな悩みの原因と対策を徹底解説!」で解説しています。


「接近限界距離」を知ってストレスを減らす


ストレスとニオイの悪循環を断ち切るヒントになるのが、体臭検査で分かる「接近限界距離」という考え方です。


誰にでも体臭はある


人は生きている限り、誰でもニオイ物質を出しています。
多種多様なニオイ物質が混ざり合って、その人の体臭ができています。

「いいニオイ」と感じられるか「クサイ」と感じられるかは別として、体臭は一定の距離までは届きます。
この距離は、分泌物の量と、それぞれのニオイ物質が感じ取られる最小の濃さで決まります。


接近限界距離とは


体臭検査でお伝えしている「接近限界距離」は、第三者がどこまで近づくとニオイに気づかれるか、という目安です。
環境の温度や体温、空間の密閉度、衣類にたまったニオイ物質の量などで、距離は多少変わります。

そこで、最悪の状況を想定して算定しています。
衣類を40℃以上に温め、無風の環境で感応限界距離を測り、それに係数をかけ合わせて出す、なかなか厳密な検査です。


「人に私の体臭を悟られたくない」と考える方にとって、自分のニオイが届く距離を知ることは、気持ちの安心につながる大切な知識になります。
データシートでは、この距離のほか、自分で探すから感じたように思ってしまうニオイについても分かります。

気にしなくてよい部分が見えてくるのです。
なお、ニオイを必要以上に怖がる心理については、下記の自己臭恐怖症についてのブログ記事も参考にしてください。

「そのニオイは思い込み!?自己臭恐怖症とは一体...」


悪循環から抜け出す考え方

ニオイが届く距離を縮める努力をする。
ニオイのタイプを、悪いものから良いものへ近づける努力をする。
そして、接近限界距離より遠くにいる人の反応は気にしない。

これができれば、ストレスは大きく減っていきます。

ストレスが減れば、自律神経が整いやすくなります。
体温が無駄に上がらず、便秘や下痢も起こりにくくなり、夜もよく眠れて、食事もおいしくいただける。

そうして体臭の負のスパイラルから抜け出していけます。


まとめ


体臭の悩みは、ストレスと自律神経の乱れを通して、ニオイをさらに強める悪循環になりやすいものです。
でも、その流れは逆向きにも回せます。

ニオイが届く距離や、自分の体臭のタイプなど、客観的なデータを知ることは、安心への第一歩です。
ひとりで抱え込まず、専門家への相談も選択肢のひとつとして覚えておいてください。

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