体臭を診てもらえる病院はある？「体臭専門外来」が存在しない理由と対策

2025年9月5日

「体臭が気になるけれど、どこの病院に行けばいいのか分からない…」と悩む方は少なくありません。
魚臭症やワキガのように、特定の病気や症状がはっきりしている場合には専門医の診察が可能ですが、ほとんどの体臭は医学的な「病気」として扱われないのが現状です。

そのため、「体臭専門の病院」というものは存在せず、病院に行っても原因不明のまま解決できないケースが多いのです。

体臭を診てくれる病院は存在するのか？

体臭そのものを専門的に診てくれる病院は存在しません。
ただし、魚臭症（トリメチルアミン尿症）やワキガのように、体臭の原因が特定の病気と結びついている場合は、専門医で診てもらえることがあります。

しかし、実際にこれらの病気が原因で体臭が発生しているケースは稀であり、多くの場合は生活習慣や体質に由来しています。

魚臭症（トリメチルアミン尿症）の場合

魚臭症（トリメチルアミン尿症）は、体臭に大きな影響を与える代表的な病気の一つです。

摂取した食べ物を消化する際に発生する「トリメチルアミン」を体内で分解できず、そのまま汗や呼気、尿などに排出されてしまいます。
その結果、周囲に強い生臭さや魚の腐ったようなにおいを放つことになります。

この病気は遺伝的要因が大きく、幼少期から発症するケースも珍しくありません。
検査方法は確立されており、大学病院などで調べることができます。

しかし実際には魚臭症と診断される人はごく少数で、多くの人はアミン類やピロール類など、別の物質が原因で似たような体臭を発しています。
つまり「生臭さがある＝魚臭症」とは限らず、体臭の原因はより複雑であると言えます。

魚臭症については「体から腐った魚のニオイがする... 魚臭症かも？魚臭症という症状を知っていますか？」をご覧ください。

ワキガ専門医が対応できる範囲

ワキガに関しては、多くの専門クリニックや美容外科が存在し、治療法も豊富に揃っています。
剪徐法（せんじょほう）による外科的手術から、ミラドライやペアドライといった電磁波治療、さらにはボトックス注射まで、体質や希望に応じて選択できる時代です。

しかし、注意すべきは「ワキガ専門医はワキガしか診ない」という点です。
体臭が気になって受診しても、原因がワキガでなければ「ただの汗のにおいです」「特に異常はありません」と返されて終わってしまうことが少なくありません。

そのため、体臭の悩みを抱える人が病院を受診しても、思ったような解決につながらないケースが多いのです。

ワキガについては「もしかして私ってワキガかも？腋の臭いでお悩みの方へ。~ワキガチェック方法、改善策をご紹介~」をご覧ください。

糖尿病やリーキーガットなど病理的体臭

一部の体臭は病気が原因となることがあります。
例えば糖尿病では、体内で発生するケトン体によって「甘酸っぱいにおい」が出ることがありますし、肝臓や腎臓に障害がある場合には、独特のアンモニア臭や金属的なにおいが漂うこともあります。

また、腸の粘膜が傷つくリーキーガット症候群が体臭や口臭の原因になると考えられている研究もあります。

しかし、こうした病気を体臭から直接診断できる医師は限られており、結局のところ「病気を疑うべきかどうか」が最初のハードルになります。
つまり「病気が原因かもしれない体臭」と「病気ではない体臭」との境界線が曖昧であるため、病院に行っても答えが得られないケースが多いのです。

「体臭専門の病院」が存在しない理由

病院は基本的に「病気を治す場所」です。
体臭は必ずしも「病気」とは限らず、生活習慣や加齢、食生活など日常的な要因で生じることが多いです。

そのため、医学的に診断基準がはっきりしていない体臭については、病院でも「異常なし」とされてしまうことが少なくありません。
医師も「病気」として扱えないのが現状です。

結果として、体臭だけを専門的に診断・治療する病院は存在しないのです。

しかしワキガや魚臭症のように、医学的に定義され、検査や治療が可能な体臭もあります。

病院で相談してもスタート地点に戻りやすい

「体臭が気になるので診てほしい」と病院に相談しても、ワキガや魚臭症でなければ「特に異常はありません」と言われてしまうケースが大半です。
その場合、本人は納得できず、再び別の病院や方法を探すことになります。

結果として「原因が分からないまま振り出しに戻る」というループに陥る人も少なくありません。

病院に行くべきか、それとも別のアプローチか

強い不安を感じる場合や、糖尿病など病気が疑われるときは病院で相談する価値があります。
ただし、体臭の大半は病気ではなく、生活習慣の改善やセルフケアで軽減できるものです。

過度に「病気」を疑うよりも、まずは食生活や運動、衣類の管理などを見直すことが、改善への近道になります。

医師の診察が有効なケースとは？

体臭の中には、糖尿病や肝機能障害など、深刻な病気のサインとして現れるものがあります。
こうした場合には、自己判断せずに医師の診察を受けることが必要です。

特に「急に体臭が変わった」「体臭と同時に体調不良がある」といったケースでは、病気の可能性を否定できないため、まず医療機関を受診すべきでしょう。

自分で体臭を見極めるための方法

病院に行く前に、自分の体臭を客観的に把握しましょう。
例えば、体臭検査サービスや専門機関の分析を利用すれば、どのような成分が体臭に含まれているかが分かります。

また、家族や信頼できる人に率直な意見をもらうことも参考になります。
こうしたステップを踏むことで、病気が原因なのか、生活習慣や衣類の問題なのかを見極めやすくなります。

医療以外の体臭対策アプローチ

体臭の多くは病気ではなく、生活習慣や環境に由来しています。
そのため医療に頼るだけではなく、食生活を改善して腸内環境を整える、衣類や寝具をこまめに洗う、ストレスを軽減するなど日常的な対策が重要です。

また、専用の体臭ケア製品を活用することも効果的です。

とはいえ、原因が自分では分からないケースも多いため、検査を通じて客観的に確認することが大切です。
当サイトでは体臭の原因を可視化するための検査を実施していますので、不安な方は一度チェックしてみてください。