No.14 体臭原因物質グループその2(脂臭)

No.14 体臭原因物質グループその2(脂臭)

前々回は体臭の基礎になるニオイ物質が5つのグループに分けることが出来る、というお話でした。そして前回は、そのうちのカルボン酸の説明をしただけで終わってしまいました。

実はカルボン酸は意外と体臭検査で検出されません。実際、すごくよく見るのは酢酸だけ。吉草酸類や酪酸類、カプロン酸などは、それが僅かだけでも検出されたら、体臭に多大な影響を与えてしまいます。だからカルボン酸(とそれに私が含めてしまっている各種の物質)という分け方が正しいのか、正しくないのか? と自問している毎日です。

今回は、もっとよくお目にかかるアルデヒドのお話をしたいと思います。

アルデヒドは体臭検査で一番検出頻度が高い

アルデヒドもカルボン酸と同じく酸素と酸素と炭素で出来ていてアルデヒド基を有する化合物、という物質特性を持っているのですが、そんなバケガク的知識は知らなくても良いです。要は「アルデヒドは一般的にニオイ特性を持つものが多い」という事と「分泌物として体内から出てくるし、体表で作られることも多い」物質である、という事を知っておいてほしい。

そして体臭の「ボリューム感」を作り出す物質である、という事。

オクタナールやノナナールが体臭ボリュームを決める主要な要素

 オクタナールやノナナールは体臭検査をして頂いくと99%くらいの方で検出されます。また女性の加齢臭に密接に関係あります。これについては以前私がプレスリリースしたので、その文献を参照してほしいのですが、女性で加齢臭がある、という方は、このノナナールの分泌量が多い。

そしてノナナールやデカナールは基礎体臭と私が名付けている誰でもがある程度は分泌している物質です。

年齢や性別に関係なく、ほとんど全ての人から検出。そして体臭強度に関連する

そして年齢に関係なく、「体臭の強さ」に関連してきます。つまりは「基礎体臭物質の分泌量が多い人は、総じて体臭が強くなる」という事になります。

基礎体臭の種類はまだいくつかあるのですが、それは順次お話しするとして、このノナナールやオクタナールが含まれるアルデヒドのグループの特徴は「重苦しい脂臭」というニオイの特性がある、という事になります。

同じニオイ特性のあるアルデヒド類やアルコール類、その他の物質もいくつもありますが、体臭検査の「ニオイの特徴」の「重苦しい脂臭」と書かれている欄にたくさんの物質種類がある人やノナナールやオクタナールについてのGCMSデータが高い山になっている人は、総じて平均よりも強い基礎体臭であり、脂っぽい体臭である、という事になります。

体臭の「強弱」と「良い悪い」は別物

体臭の強い弱い、という事は、誰でも分泌する「基礎体臭の分泌量」が関係していて、それは体臭の「良いタイプ、悪いタイプ」という質の問題とは違ってきます。

但し、基礎体臭が強くて、後述する「悪いタイプのニオイ物質」の分泌がある場合、その悪い物質の分泌量が少なくても、「強くて悪い体臭」となってきます。このシリーズでは触れませんが、基礎体臭の減少や体表や衣類の消臭ケアは体臭全体のボリュームを減らすために非常に大事なことになります。

悪いタイプのニオイ物質対策だけでなく、総量としての体臭ボリュームを減らす、という事も体臭改善には非常に大事になってきます。

だいぶ横道に逸れてしまいました。アルデヒドのお話しの続きです。

ヘキサナールやへプタナールは甘酸っぱいけど青臭くなる

このグループも基礎体臭物質のカテゴリーになります。グループとして捉えると、まずほとんどの方が、検出されます。また、すごくたくさん分泌される人もいます。

少ないボリュームの時には甘酸っぱく感じるのですが、量が多くなると青臭くなる。パクチーや青物野菜のニオイの元でもあります。

これらが多い人は加齢臭の原因物質として有名な「2-ノネナール」のような特殊なニオイ物質の分泌が無くても男性加齢臭じみた青臭さを感じます。

加齢臭はノネナールだけが原因じゃない!

加齢臭、特に男性の加齢臭の原因がノネナールだというのは有名ですが、実は若い人でもへプタナール等の青臭さとして感じられるニオイ物質とノナナール・オクタナール等の脂臭物質の分泌量がともに多ければ、加齢臭じみた体臭になります。

そしてそれぞれ、若い世代でも分泌されやすい基礎体臭物質。気を付けて下さいね。総体としての体臭が多い場合、あとはそれぞれの基礎体臭物質のバランスで、嫌なタイプのニオイにもなります。

アルデヒド類はまだまだあります。この続きは次回にさせて下さい。

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