No.18 体臭原因物質グループその6(硫黄臭)

No.18 体臭原因物質グループその6(硫黄臭)

体臭の原因を大きく分けると、5つに分かれる。その5つの下には20ほどのサブグループが出来る。それは化合物としての組成の中にどんな元素が含まれているのか、で5つに分けているのだけれど、同じ組み合わせ、同じ数の元素数であっても、組成の形でニオイが変わってきたり、特性が変わってきたりと、ホントに奥の深い世界です。

体臭検査ユーザーさんもアイテムを買っていただいているユーザーさんも、ホントはこんなこと知らなくても良いのかもしれない。けれども、このように体臭の根本原因は化合物の種類にあって、ソコを解決しないと思ったような効果を出せない、だから私が頑張っている、という事を知って頂くために、書いています。

今回は硫黄系物質の話です。

おならクサい体臭がする。それは硫黄系物質が関連している

体臭検査をしていると、「いつもおならばっかりして」と言われたとか、「過敏性大腸炎なのでガスが体から出ているようで」とかおっしゃられるユーザーさんがいます。

確かにおならのようなニオイの体臭は存在します。おならのようなニオイのワキガ臭もあります。それらは硫黄系物質がその中に含まれているから「おならクサい」わけなんですが、ガスとしてのおならに一番含まれるのは「硫化水素」です。

けれども体臭として発露するニオイは硫化水素だけではありません。

体臭分析で良くお目にかかるのはチオールとかスルファニルとか、スルフィドという部分名称が付いた硫黄系物質ですね。硫化水素はGCMS分析では検出されないので、アンモニアと同じく、ガス検知管で調べます。

本人が「おならクサい体臭がある」とおっしゃったり、私物や検査用Tシャツを嗅いだ時に、硫黄系のニオイを感じた時には、ガス検知管で検査します。しかし、硫化水素以外のチオール類とかスルファニル(或いはスルフィド)系のニオイをGCMSデータで検知する場合の方がずっと多いです。

ワキガ臭も硫黄系化合物が関連しているケースが多い

ワキガ対策洗剤のDSシリーズは全3種で「ツンとする刺激臭対応のスパイシー」と「モワッとするワキガ臭対応のサルファー」と「複合臭対応、最強配合のカオス」の3種類となっています。硫黄系の体臭がある場合、やはりワキガ臭がある人が多いので、その区分けで良いのですが、実のところ、サルファーを選んで買っていただいている方は少ないです。

また体臭検査の結果、硫黄系ワキガ臭がある、という人も、スパイシー系、複合臭(生臭さも含む)系に比べて、明らかに少ないです。

硫黄系優勢のワキガ臭はモワッとする

実際、白人種のワキガ臭はスパイシー系(鉛筆の芯様のニオイや、スパイス系のニオイ、土っぽいニオイとか、プラスチック臭)の方が圧倒的ですし、日本人ユーザーさんが中心の当社商材でもDSスパイシーとDSカオスが二枚看板ですし、体臭検査の結果でも硫黄系物質の検出は少ない。

それでも硫黄系物質が原因であるワキガ臭や体臭は確かに一定量存在します。

硫黄系ワキガ臭と言うのは、第三者に伝わる時の特性が他の2つと違ってきます。DSサルファーの副題にもなっている通り、「モワッと広がる」感じが硫黄系ワキガ臭の特徴と言えます。

硫黄系物質のpHは酸性寄り。酸性物質で白い生地は黄ばむ

そしてもう一つの特性としてpHが酸性寄りの物質が多いという事です。窒素系化合物はアンモニアをはじめとしてアルカリ性の特性を持っていますし、スパイシー系は主に中性域のニオイ物質が多く、普通の体臭もそうです。そして硫黄系臭気物質は酢酸(酸っぱいニオイ)と同じく、酸性寄りのpH特性があり、そうなると、アプローチ物質の選定が他のワキガ臭タイプと違ってきます。

また、硫黄系物質の発露がある人は衣類のわきの下が黄ばみやすいという特徴もあるようです。

4人に1人のワキガ臭は硫黄系

体臭の中で、このグループに属する人はあまりいないのですが、それでもワキガ臭で考えれば4人に1人くらいはこのタイプの物質検出があり、8人に1人くらいは硫黄臭優勢のニオイになっています。日本人のうち600万人以上の人にワキガ臭があるという事を考えると、決して無視できない数字になってきますね。

もし、モワッとするような体臭やワキガ臭がある、或いは硫黄っぽいニオイ、温泉で嗅ぐようなニオイ、卵っぽいニオイ、ゆでたキャベツやネギっぽいニオイがあるとか、おならクサイと指摘を受けた経験のある方は、体臭検査を受けるか、DSサルファーを試してみて下さい。

5大グループの解説は今回で終わりです。長々お付き合いいただき、ありがとうございました。

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