EX-2. カズレーザーと学ぶ。「モテる体臭嫌われる体臭」について

EX-2. カズレーザーと学ぶ。「モテる体臭嫌われる体臭」について
2023年2月7日に日本テレビ系22時からの「カズレーザーと学ぶ。」に於いて、体臭に関する話題を放映していました。たまたまつけたテレビで私も見ましたが、少し補足したいことがあり、記事にしました。見逃し配信もやっていますので、まずはそちらを見てほしいと思います。「TVer」で「カズレーザーと学ぶ」と検索すれば、今なら見れるはずです。

カズレーザーと学ぶ。で語られていたこと

番組では東海大学の環境科学科ご専攻らしき、関根教授と言う方が解説されていました。短い時間だったので私には説明が不足しているように思えました。言いたいことは多数あれども…少し絞ってお話ししたいと思います。 「皮膚ガス」という言葉は「最近のキーワード」と教授がおっしゃっていた通り、カズレーザーさん始め、パネラーの方は皆さんご存じではなかったようです。またパネラーさんを実験台に実際に皮膚ガスを採取して、それを分析し…、という事なんですが、何と分析した物質の種類は4種類! 番組の中の1コーナーだったので仕方ないとは言え…

分析した物質種類が少ないと体臭の実相には近づかない

いわゆる「GC(ガスクロマトグラフ)」と言う機械は「この物質」がどれだけ検出されるのか、という機械で、特定の種類の化合物の有る無し、分量が分かるだけなので仕方ないですが、関根教授も言われていた通り、体臭に関わるニオイ物質は300種以上(私はもう少し同定していますが)ですので、ガスクロマトグラフでは体臭の実態は分からないものなのです。番組で検証していた「2-ノネナール」「ジアセチル」「γラクトン」「トルエン」と言えば、確かに体臭を方向付けるタイプの化合物ですが、それに類するニオイ物質はすごくたくさんあります。例えば「2-ノネナール」はオヤジ臭の原因となりますが、番組では枯れ葉や古本、古い畳等と表現していますが、私の所では試薬として現物があり、それは「カメムシ」のニオイそのものです。 それはともかく、カメムシ臭と言うのは、つまりは青臭さなわけで、それを感じさせるニオイ物質としては「2-デセナール」「2-ドデセナール」「6-ノネナール」等多数あります。つまり、ガスクロマトグラフで「2-ノネナール」を分析して全く無い人でも前記の青臭さ、カメムシ臭さのある物質の検出がある人は、やはりオヤジ臭がキツイ、という事になります。前に流行ったタニタのクンクンボディも同じ理屈の機械で数種類の物質のみ、分析出来る。そしてノネナールが無いと「加齢臭が無い」という判定になる。実際の体臭に関わらず、です。 また、一番困る体臭の一つに、番組でも言及されていたPATM(パトム)がありますが、例えば皮膚ガス検査でトルエンが検出されなくても、同じような石油溶剤刺激臭である化合物に「2-エチルヘキサノール」や「アセトン」など10数種類あり、また違ったタイプのPATM原因物質に「イソブチルアルデヒド」や「ブチルアルデヒド」等の刺激臭物質も多数あります。だからトルエンだけに焦点を絞ってあのように言及するのは、私には危険に思えました。

GC分析では不足、体臭を知るにはGCMS分析が必要

そして、当社の分析に使っている機械は「GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析機)」ライブラリに登録してあるニオイ物質なら、何でも分析結果に出ます。当社の使用している機械では数千種類となっています。だから、ガス採取式のGC分析よりも、肌の分泌物を採取した上で行うGCMS分析の方が、リアルな体臭状況に迫れる、という事です。

皮膚ガスの正体

長くなるので、もう1点だけ。 番組の中で関根教授が皮膚ガス皮膚ガスと連呼するものだから、番組を見ている人は「ガス」が体内から出てくると思ってしまわないか、心配しています。実際の所、下図のように、「皮膚ガス」とは「体内から液体として出てきた皮脂や汗に含まれるニオイ物質が揮発した気体」という事になります。つまり、肌に表出するのは液体です。  

肌の上から揮発したニオイ物質こそ「皮膚ガス」

だから、その分泌物を採取し、それを分析した方が、より精度の高い結果が得られます。もちろん、当社のようにTシャツを着て頂き、付着した分泌物を分析し、となると、着用時と比べて多少の揮発喪失は免れません。但し、体臭に関わる殆どのニオイ物質というのは、番組中で関根教授が言われていたような「洗えば簡単に落とせる」と言った性質のものではなく、水に溶けにくい「難水溶性」を持っています。(酢酸やアンモニア等、いくつかの水溶性物質は除く) 手に付いていれば、石鹸を付けて何度もゴシゴシ洗えば取れますが、繊維製品に付着すれば、数日間で無くなってしまうものではありません。だからこそ、私は蓄積臭除去こそ、一番簡単で一番確実、効果の高い体臭改善策と常々言っているわけです。

内分泌コントロール、表皮の健全なケア、衣類の蓄積臭除去の3つが皮膚ガス対策

番組では、各皮膚ガス対策(敢えて皮膚ガスと言いますが)として、様々な食生活の提案をされていました。大方は、私のブログやデータシートを読んているのではないか、と思う程、私のご指導に含まれるものばかりでしたが、根本改善策とは言え、内分泌コントロールはあくまで皮膚ガス対策の3分の1を占めるだけです。また、これら食事療法は結果が出るまでにすごく長い時間が掛かります。 その根本改善策と同時に体表の正しいケア、衣類の消臭ケアを行えば、改善の実感はずっと早く訪れます。加齢臭に悩む人も、PATMに悩む人も、桃の香りを身にまといたい人も、体臭博士にご相談下さい。  
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