No.9 体臭検査について その2

No.9 体臭検査について その2

前回は体臭の問題を「強弱」と「タイプ(忌避度)」で分けて考えるべきで、体臭検査での強度測定は第三者と比較で「強い弱い」のレベルを6段階(正確には12段階)でお伝えするというお話でした。

体臭を第三者に感知されないようにするためには、まずは自分自身の体臭を知る事が第一歩であり、それが正確にわかるのが当社の「体臭検査」です。体臭検査を受けていない方のうち、前回ブログを読んでいない人は、まずは前回ブログを読んでくださいね。以下のURLから行けます。

No.8 体臭検査について その1
自分じゃわからない。誰か教えて! 体臭のトラブルは、自分自身だけの問題で済まない場合もあります。もちろん自分自身の体臭に深く悩んでいる人ももちろん多いですが、誰かの体臭で迷惑に思っている第三者もいる、と言うことも知っておくべきです。 ...

体臭のファクター

前回のブログで語った「強さ・弱さ」「良い悪いのタイプ(忌避度)」は、ニオイそのものの区分けであって、それだけが体臭の本質ではありません。

第三者がどう感じるかを知るためには、他に「体臭発散距離(接近限界距離)」「同性同世代との比較」「体臭発生部位」「原因物質組成」などを含めた多角的なアプローチで、あなたの体臭を調べる必要があります。前回のブログで説明していないふたつのファクターについて、まずは以下で説明します。

体臭発散距離(接近限界距離)

第三者にどこまで接近されると、あなたの体臭は感知されてしまうのか? これは非常に重要な問題です。これが分かっていれば人付き合いが難しくなくなります。これを当社では接近限界距離と言っています。

これには体臭物質の量と物質の種類の両方が関係しています。もちろん量が多ければそれだけ到達距離は遠くなり、離れた場所でもあなたの体臭が他人に気付かれるということは当たり前なのですが…

ニオイ物質は、それぞれ「ニオイとして感じる量」が決まっている

実はニオイ物質の種類によって「どれだけの量があると人間の嗅覚で感応できるか」という個別の数値があります。これを「閾値」と言います。

ニオイ物質の種類によっては、非常に少ない量でも強く臭います。閾値が低いとか高いとかで表現するのですが「閾値が低い」ニオイ物質は、ほんの少量でもニオイを感じる物質であり、「閾値が高い」ニオイ物質は、たくさん無いと臭わない。

例えばあなたの体臭のタイプが「加齢臭」であり、その主な原因が「2-ノネナール」だとすると、ほんの少しの分量の「2-ノネナール」があるだけで、「あの人、おっさん臭いよね」と言われてしまいます。同じようなニオイでも閾値の高い「ノネナール風のニオイ物質」だと、いくらたくさん分泌されていても、ちっとも「おっさん臭くない」と言う場合もあります。

ニオイ物質の種類×量=接近限界距離

閾値の話をいつまでもしていられませんが、とにかく「量」と「ニオイ物質の種類」で体臭の到達距離は決まってきます。

また、同じ量、同じ物質で比較した場合、環境温度が高ければ、それだけ到達距離も長くなります。ですので、体臭検査ではあなたの検査用Tシャツや私物に付着しているニオイ物質を、40℃程度の環境温度の中で揮発させて、その到達距離を測定します。その数値から体臭の到達距離、つまり第三者接近危険距離を計算します。もちろん、衣類だけで計測すると、着用している本人の体から発散するニオイ物質もあるわけですから、それも計算に入れています。

実際にご本人にをサンプルにして(当社まで来ていただいて)測定することも可能ですが、それだと体調面や瞬間的なファクターに左右されて、本当の体臭、例えば緊張した時や体臭物質が体表に蓄積された状態の時などの、本当に体臭が発散されている状態と違う場合が出てくるので、検査用Tシャツ+私物での計測の方が正確になります。ワキガ専門病院で先生の前に立ったわずかな時間では、本当の「体臭の真実」を伝えきれないのと同じです。

到達距離は、体臭の少ない人で1m未満、平均的には1mから1.5m程度、それ以上の距離だと、体臭の到達距離が遠い(あなたの体臭は弱くはない)となり、改善の必要ありと考えられます。

他人との比較

同性同世代との比較ということも、非常に気になる所です。ワキガ臭や足のニオイについては当てはまりませんが、世代臭という観点では大事なポイントです。

どういうことかというと「あの子は若いから代謝が活発で汗臭い」というケースの場合は、忌避度の観点からいえば解決すべきと思いますが、それでも第三者が眉を顰める体臭強度ではない、と判断する場合が多いからです。

若い女の子でワキガや病理的なニオイ、またはお風呂に入らない、お洗濯をちゃんとしていないなどという「不潔」が元になっている体臭の場合、通常は嫌な臭いではないし、多少汗臭くても、誰も嫌な顔をしない、と言うような話。イヤ、私がオジサンだから若い女の子のニオイを余計に良い匂いに感じてしまうってことはないですからね(笑)

1700人以上のデータで平均値を算出

元々「第三者がどう感じるか」というあいまいな指標の上、平均値を出せるほどのデータ量がどこの文献にもなかったのですが、当社ではすでに1700人以上の検査ユーザーさんがいます。既に検査を行ったユーザーさんの膨大なデータがあるからこそ、当社では年代別、性別の平均値が分かっている、という次第です。

また、ニオイの評価と言う点では、当社スタッフは、過去10年以上にわたって、体臭が付着した衣類の消臭を数万着行ってきました。つまり、世の中にないデータを保有しているということです。世代別の体臭がどんなものかと言うのは、集積したデータと「鼻の奥」に記憶されています。

その記憶があればこそ「10代の女の子の体臭印象は、一般的にはこんなニオイです」と明確に示すことが出来る、ということ。

続きます。

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