体臭と言うものは自分の目で確かめることが出来ない。強いのか弱いのか…人に嫌われるようなニオイではないか…
第三者がどう感じているかが分からないからこそ、悩んでしまう。一緒に住んでいる家族に聞いても「体臭なんてない」「気にしすぎ」「気のせい」と言われる。
彼氏や彼女、或いは一緒に暮らしているパートナーや奥さん、旦那さんに聞いても「全然気にならない」「アナタのニオイが好き」と言われる。…イヤ、その答え…それはワタシにニオイがあるってことなんじゃ…
疑心暗鬼になって病院に行こうとする。いったいどこの病院? ネットで調べてみると皮膚科が良さそう。行ってみると「気のせい」「気になるような体臭は無い」と言われる。
ワキガかな?と思ってワキガ専門医に行けば「とりあえずアポクリン腺切除しておきますか?」「とりあえず皮脂腺汗腺を焼灼しておきますか?」…とりあえずって…ワキガは確認できないってこと? ???
そんなことを繰り返して自己臭恐怖症という「心の状態」になります。
自己臭恐怖症を定義すると
自己臭恐怖症は決して珍しい「状態」ではありません。どういう状態かと言うと、「体臭や口臭等、自分が原因であろうニオイについて、第三者の反応等を必要以上に怖がってしまう精神的ストレス」のある心理状態。
精神的に追い詰められた状況なのですが、難しいのは実際に体臭や口臭がヒドイ人のみならず、人に比べてたいしてヒドクないのに死ぬほど怯えている人も多いということです。私は便宜的に後者のみを「自己臭恐怖症の状態」と考えています。
もう少し先のブログで、体臭検査を受けた方のうちの自己臭恐怖症の率、つまり、自分自身の体臭が気になって体臭検査を受けたけれども、実際には同姓同年代平均と比べて体臭自体は「強くない」し、特段、人に嫌がられるタイプのニオイ発露も「無い」という人の比率について詳細に書きますが、実は、特に若い女性での「自己臭恐怖症」の率は高くなっています。
なぜ、このような心理状態になるのか?
もちろん、何らかのきっかけ、というか、理由があると思いますよ。自己臭恐怖症のスパイラルに陥る理由です。
例えば、お友達の「なんか、ここら辺、変なニオイしない?」とかの何でもないひとこと。或いは「私が来ると、特定の人が鼻をグスグスさせる」と言った、第三者の行動をよく見かける…数え上げればキリがないですが、つまりは、そういう周りの反応や言動が、自分のニオイに原因があるような気がする、というきっかけ。
こんなことが何度かあると、周りの反応は全部自分が原因と思えてくるし、誰かが笑えば、自分が笑われていると思えてくる。コソコソ誰かがうわさ話していれば自分の話をしていると思えてくる… このような心理状態になると、なかなかそのスパイラルから抜け出せなくなります。
実際、「直接何か言われたことはない」と自己申告される検査ユーザーさんもすごく多いです。
目に見えないから自分じゃわからない
自分で判断しようにもが嗅覚と言うあいまいな判断基準を物差しにしているから、ほんとに自分ではどうにもならない。
悪臭かそうでないかの判断基準があいまいなのにも関わらず、「ニオイ=嫌悪されるべきもの」と考えがち、と言う風潮も問題です。昔から良い香りを楽しむ文化や風潮はあったでしょうが、現代ほど「悪臭は忌み嫌われる」という観点でニオイを捉えた時代はなかったと思います。
ワキガ臭はありませんと医者に言われた。でも悩みは解決しない
ワキガ専門医さんは体臭を「ワキガがある」「ワキガが無い」の二択で捉えます。そして多少の汗臭さや加齢臭、その他の忌避度が高くても病理的な原因が予想されないケースでは、特に解決策を持っているわけではないので「気にすることはない」と、言い方は悪いけれども、突き放してしまいます。
皮膚科のお医者さんも同じこと。病理的な体臭でなければ「気にする必要はない。誰でも体臭はあるのだから。もし、その気持ちが解決できないなら心療内科を紹介します」と、言い方は悪いけれども、厄介払いをされてしまいます。
確かに誰にでも体臭はある
上記の皮膚科のお医者さんがおっしゃることは正解です。誰にでも体臭はある。それは私が保証します。どんなに体臭が少ない人でも、私のような専門家にかかれば、50㎝あれば、その人の体臭を感じることが出来る。
けれども、それが「人の嫌がる体臭」であれば、たとえ1mしか届かなくても「改善すべき問題点」がある体臭であるのなら、その人は、私の捉え方では自己臭恐怖症には当てはまらない。
逆に人に嫌がられない体臭であれば、自分の体臭を第三者に嗅がれることを恐怖する必要はない。
まずは第三者がアナタの体臭をどう思うかを正確に把握しましょう。私に相談してください。